AI の使い分け実践 — Claude を指揮役に、コーディングは別 AI へ、最後に Claude が確認

前回の AI エージェントは外へ広がる では、「上に広がる=得意な AI に得意な仕事を振る」という話をしました。 今回はその 実践編 です。

具体的には、Claude を指揮役・執筆・確認に置き、コーディングは得意な別の AI に任せる。こうした「AI のチーム」の組み方を紹介します。 「AI を一つ決めて全部やらせる」より、うまくいくことが多い形です。

むずかしそうに聞こえるかもしれませんが、はじめは人が間に立つだけで OK。 気楽に読んでみてください。

「1人で全部」より「適材適所のチーム」

役割で分ける AI の使い方。指揮役の AI(Claude)が段取り・執筆・確認を担い、コーディングは得意な AI に並列で任せる。

AI にも、得意・不得意があります。 文章の段取りや確認が得意な AI もあれば、コーディングが特に得意な AI もある。 どのモデルが何に向くかは Claude と GPT-5.6 Sol の比較Claude のモデルの選び方 も参考になります。

だから、一つの AI に全部やらせるより、役割で分けたほうが、速さも品質も上がりやすいのです。 料理でいえば、一人で仕込みから盛り付けまで全部やるより、下ごしらえ担当・焼き担当・盛り付け担当で分けるイメージ。 それぞれの得意を活かせる、というわけです。

どう分ける? — 指揮・実装・確認

おすすめの分け方は、次の4つの役割です。

指揮者が、楽器を演奏する複数のロボットをまとめて指揮している。指揮役のAIが専門のAIたちをまとめるイメージ。

  • ① 段取り(指揮役):何をどう作るか、全体の設計を決める → Claude
  • ② 実装:実際のコーディング → コーディングが得意な AI に任せる
  • ③ 確認:出てきた成果をチェック・手直しする → Claude
  • ④ 仕上げ:まとめや説明の文章を整える → Claude

ポイントは、実装だけを”外”の得意な AI に出し、段取り・確認・仕上げは指揮役の AI が持つことです。 Claude が全体の舵を取りながら、重い実装は専門家に任せる役割分担です。

具体的な流れ

使い分けの流れ。①指揮役が段取りを決める、②実装を複数の AI に並列で任せる、③まとめて確認する、④指揮役が仕上げる。

実際の進め方を、順番に見てみましょう。

  1. 段取りを相談する:Claude に「こういうものを作りたい」と伝え、全体設計や手順を一緒に決めます。
  2. 実装を任せる:決まった部品ごとに、コーディングが得意な AI へ依頼します。独立した部分は、複数の AI に 並列 で出すと速いです。
  3. まとめて確認する:出てきたコードや成果を Claude に渡し、おかしい点がないか確認・統合してもらいます。
  4. 仕上げる:説明の文章や使い方のまとめも、Claude に整えてもらって完成です。

「AI が AI に仕事を振る」しくみ(サブエージェント)の考え方は AI エージェントとは何か もどうぞ。

うまくやるコツ

チームで進めるからこそ、気をつけたい点がいくつかあります。 どれも初心者のうちから意識しておくと、事故が減ります。

  • 仕様をはっきり書いて渡す:会社(AI の提供元)をまたぐと、AI どうしは記憶を共有しません。「何を・どんな形で作るか」を明文化して渡すほど、ズレが減ります(→ プロンプト テンプレート集)。
  • 確認役だけに頼らない:Claude のチェックは強力ですが、万能ではありません。テストや実際の動作確認を「正解の地面」に置くのが基本。AI のレビューはその上乗せです。
  • 確認役に材料をきちんと渡す:要件・変更点・テスト結果まで渡すと、確認の精度が上がります。丸投げは見逃しのもと。
  • 鵜呑みにしない:AI が「できました」と言っても、そのまま信じない。この心構えは ハルシネーションとは何か に通じます。

まずは「手動リレー」から

「Claude が別の AI を自動で動かす」と聞くと、大がかりに感じますよね。 でも、いきなり自動でつなぐ必要はありません。

今のところ、会社をまたいで AI どうしを自動で連携させるには、専用の道具や設定(MCP のようなつなぎ役)が必要です。 だから最初は、人が間に立つ”手動リレー”で十分です。

  • Claude に段取りを相談する
  • その指示を、自分でコーディング特化の AI に貼り付ける
  • 出てきた結果を、また Claude に貼り付けて確認してもらう

このコピペのリレーだけでも、「適材適所」の効果はしっかり出ます。 慣れて「毎回この流れだな」と感じたら、そのとき自動化を考えれば十分です。

よくある疑問

Q. 初心者でもこんな使い分けができますか? できます。まずは人が間に立つ”手動リレー”で「段取りは Claude → 実装は別の AI → 確認は Claude」と回すだけで十分です。

Q. なぜ一つの AI で全部やらないのですか? AI にも得意・不得意があるからです。実装を得意な AI に任せ、段取りや確認は別が担うと、速さと品質が上がりやすくなります。

Q. 確認役の AI に任せれば、間違いはなくなりますか? いいえ。確認役も万能ではありません。テストや動作確認を軸に、AI のチェックは上乗せとして使いましょう。

まとめ

AI は、一つに全部やらせるより、得意な相手に得意な仕事を振ったほうがうまくいきます。

  • 指揮・執筆・確認は Claude、重い実装は得意な AI に任せる
  • 流れは「① 段取り → ② 実装(並列)→ ③ 確認 → ④ 仕上げ」
  • 仕様は明文化して渡す。確認役だけに頼らず、テストを正解の地面に
  • まずは人が間に立つ”手動リレー”で十分。慣れたら自動化を考える

いきなり完璧なチームを組む必要はありません。 まずは「段取りは Claude、実装は別の AI、確認はまた Claude」。このコピペのリレーから試してみてください。 一つの AI で抱え込んでいた作業が、驚くほど軽くなるはずです。

手動のリレーに慣れてきたら、MCP でつなぐ自動化編へ進んでみてください。